研究期間の最終年度に当たる本年は、3本の学会発表と最終現地調査を実施した。学会の発表は、日本教科教育学会 「第43回全国大会」、全国社会科教育学会 「第66回全国研究大会」、社会系教科教育学会 「第29回研究発表大会」である。 これらの発表での質疑応答で得られた、様々な疑問点に関して、2018年の3月に3週間程度の現地調査を実施した。専門家訪問以外にも、現地の高等学校を訪問し、教育現場での実践の在り方や課題点を、現場の教師から聞き取り調査を実施した。 特に、2017年の3月にオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州では歴史科目のシラバスが改定されたことから、新シラバスから1年経過し、それに沿った歴史教育を展開するうえでの、メリット・デメリット、あるいは教師が新たに取り組まなければならない課題について、データを収集した。 具体的な変化の一事例としては、オーストラリアのナショナル・カリキュラムの意向である、アジア・リテレイトが強調されナショナル・スタディ―スの中で、アジアの国について、取り組むことが必須とされコンテンツに関する変化と教育現場はそれに対応する必要性が確認できた。 他方で、これまでの資料(証拠)をベースとした疑問探究型の手法である、コンピテンシー・ベースの学力評価に関しては、大幅な変化見られないことも確認できた。 最終調査で新たに確認された成果が多いことからも、それらを平成30年度に引き続き、学会発表や論文にて成果を報告する。
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