中学校社会科公民的分野における体系的な憲法学習プログラムの開発にあたり、平成26年度は憲法の基本原理に関するコンテンツを設計し、平成27年度は、憲法の基本的人権に関する部分を設計した。最終年度の平成28年度においては、公共の福祉の概念に関する部分、及び三権分立を中心とした統治機構に関する部分のコンテンツを設計した。そして、これらのコンテンツをeラーニング化し、電子黒板と連動させた個別学習・集団学習併用型の授業教材として利用できるようにした。これらのコンテンツについては、eラーニングのメリットを生かし、映像・写真・音声・資料・アニメーションを用いて設計されている。さらに、レポートの提出、資料のダウンロード、掲示板等の機能を持った学習管理システムを構築し、これらのコンテンツを学習管理システムに搭載した。学習管理システムには、研究代表者が配布するIDとパスワードでWeb上からログインすることができる。本研究では、憲法学習プログラムのパイロット的研究として、憲法学習をeラーニングコンテンツとして開発した。本コンテンツの開発により、憲法学の専門家ではない中学校教員の教科内容上の問題点を克服する一つの方向性を示すことができた。また、自己学習力が十分ではない中学生に有効な個別学習と集団学習とを併用した学習プログラムを具体的に提示することができた。今後、本プログラムを運用していく中で得られる意見を基にして本プログラムを改良すると同時に、本研究では着手できていない基本的人権と統治機構の各論部分にあたるコンテンツを開発していきたい。
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