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2014 年度 実施状況報告書

教科固有の資質や能力の育成を目指すドイツ中等歴史の教育課程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26590245
研究機関国立教育政策研究所

研究代表者

村瀬 正幸  国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 教育課程調査官 (90641572)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードドイツ / 中等教育 / 教育課程 / コンピテンツ / 歴史教育
研究実績の概要

この研究は、日本より先行して歴史教育課程の改革を進めているドイツの事例を手がかりに、①資質や能力の育成と深く関係するコンピテンツの獲得を目指したドイツ中等教育段階における歴史教育課程の編成原理、②ギムナジウムにおける指導と評価の実態、③日本の歴史教育課程編成の課題、を明らかにすることを目的としている。
平成26年度は、研究対象となるバーデン・ヴュルテンベルク州の歴史教育に関するレアプラン(学習指導要領)・同州採択の歴史教科書の入手、ゲオルクエッカート国際教科書研究所員・同州カールスルーエ教育大学歴史講座担当者へのインタビュー、同州ギムナジウム・シュタイナー学校における歴史授業の実践と評価に関する実地調査を行った。
これらの調査研究から、次の諸点が明らかとなった。第1に、戦後ドイツの歴史教育は、1970年前後を境目に、事実教授から「問い」と資料の活用を軸にした歴史教育へと変革され、生徒の「歴史と向き合う力」の育成に向けた取組を現在も引き続き重視していること、また、その視点から参観したすべての歴史授業が構成されていたこと、第2に、教科書編集のレベルにおいて、歴史のコンピテンツの育成を全面に掲げたものが出版され始めているものの、歴史のコンピテンツの内実を歴史教師が共有できるまでには至っていないこと、第3に、歴史のコンピテンツとは、歴史家が行う課題発見・資料批判などの探究の過程から導き出されるものではあるが、探究の内容やそれに必要な手立ては現場の教師に委ねられており、歴史教育の充実のためには、現場教師の実践とその成果(課題)を共有するための手立てを工夫することが今後一層求められること、第4に、現在の試みとしては、同州立研修機関であるアカデミーが、毎年3万人規模(1900講座)の無料の教員研修を主催し、大学・国内外の企業、州学校局とも連携して取り組んでいること、である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゲオルクエッカート国際教科書研究所員・カールスルーエ教育大学の歴史講座担当者との懇談、ギムナジウム・シュタイナー学校における歴史授業への参観と担当教師との懇談など、実地調査でしか得られない貴重な情報を収集することができた。その内容の詳細な分析は、引き続き課題として残されているが、教育課程の改革をめぐる国際的動向とドイツ・日本の動きを関連付けて捉えることができ、有用な示唆が得られたからである。

今後の研究の推進方策

平成27年度は、バーデン・ヴュルテンベルク州の研修制度や新レアプラン(本年度発表予定)を調査研究する予定である。実地調査では、現地滞在日数が限られているため、効率的な訪問が不可欠である。そのために、引き続き、現地在住研究協力者との情報交換を密にして、実地調査の効率化を図る。

次年度使用額が生じた理由

翻訳作業を、年度をまたぎ依頼することになったためである。

次年度使用額の使用計画

本年度に完了する翻訳作業経費として使用する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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