平成28年前期では,これまで実施した児童生徒及び授業者へのアンケート項目を見直し,新たに児童生徒及び教員の知識観を把握するアンケートを作成し,中学校及び高等学校の生徒と授業者に対する調査を実施した。 アンケートの修正は,これまでの実在論的知識観,社会構成主義的知識観を把握する内容に加え,反実在論的知識観(具体的には,観察可能な事実に関しては実在論的知識観であるが,過去の事実や価値のように観察不可能なものは構成主義的知識観になるという考え方)を把握する項目を新設した点である。 そして,これらの三つの知識観のうち,どれが自分の考え方に近いかを問う調査を実施した結果,各知識観について,生徒及び授業者それぞれ,おおむね3分の1ずつとなることが分かった。 後期では,調査結果を基に,社会系教科の授業づくりのプロセスをモデル化するとともに,実在論的知識観,社会構成主義的知識観,反実在論的知識観にも基づいた授業モデルを作成した。
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