研究課題/領域番号 |
26590249
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
鶴巻 正子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)
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研究分担者 |
高橋 純一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10723538)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 特別支援学校 / 学校防災 |
研究実績の概要 |
将来起こるかもしれない災害に向けた学校防災計画は校長を中心に作成されるものであり,特別支援学校の教員をめざす学生であっても関心は低く,理解されにくい分野といえる。本研究は平成23年3月11日に起こった東日本大震災でさまざまな教育的ニーズや課題が浮上した特別支援学校の現状に基づき,将来,特別支援学校の教員になることを志望する学生を対象に,特別支援学校に関連する震災関係のデータベースを作り,被災した特別支援学校でのボランティア活動を通して防災教育の現状を知り,講話や救命講習に参加するという活動を学生自らが経験する学校防災教育プログラムを予備的に開発し,参加した学生にその過程でみられる意識変化の効果を検討することを目的としている。東日本大震災と原発事故から5年が過ぎてもまだ全校避難している県立特別支援学校への学生ボランティアを年間4回実施するとともに,関係文献の調査,大震災当時に管理職だった教員の講話,県内及び全国の特別支援学校の協力による学校防災に関する意識調査を実施した。震災直後には人材の確保や学校環境の整備が重視されたが,現在は児童生徒の指導や支援が重視されているなど教師の意識変化が示唆された。また,学生ボランティア参加後の自由記述には,学生ボランティアに初めて参加した1年生の学校防災への気づきが記されており,ボランティア経験は学生の防災意識の向上に一定の効果を及ぼしていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学校ボランティアへの年間4回の参加,講話の実施など学生が自ら体験し作る学校防災プログラムの開発を進めるとともに,本研究の意義を補足する学校防災に関する調査を実施したのでおおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に実施した予備的な学生が自ら体験し作っていく学校防災プログラムの開発を進めるとともに,調査の詳細な集計を含め研究計画にそって研究を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体的に節約に努めるとともに,学内制度の活用により,当初予定していたデータ入力のための人件費を抑えることができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
計画推進のための移動に要する旅費,今年度実施した調査の詳細なデータ分析を進めるのに必要な経費や必要な物品の購入などに活用する予定である。
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