研究課題/領域番号 |
26590251
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
長崎 勤 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (80172518)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子ども同士 / 協同活動 / アセスメント / 知的障害児 / 自閉症児 |
研究実績の概要 |
Ⅰ.アセスメントの妥当性の検討(2):昨年度予備研究によって妥当性を検討した「子ども同士の協同活動発達アセスメント」を、自閉症児と知的障害児に適用し、本アセスメントが障害特徴を示しているかを検討し、今後の支援方法の観点を検討することを目的とする調査を行った。対象児は特別支援学校に在籍する知的障害児1名(A児)と自閉症スペクトラム障害児1名(B児))であった。2名の児童の生活年齢、発達年齢は概ね同程度であり、知的障害児、自閉症児は共にCA:7歳、MA:5歳程度であった。 アセスメントは、「共有」に関する12項目、「コミュニケーション」に関する13項目、「援助」に関する12項目、「情動調整」に関する13項目の計50項目から成る。各児童のアセスメント結果の達成率から、障害特性における社会性の発達の特徴と今後の支援につながる観点の検討を行った。その結果、知的障害児では、全般的にMA相当の通過率を示していた。「共有」「援助」に関しては通過率が高く、「コミュニケーション」「情動調整」に関しては通過率が低かった。自閉症児では、MAと比べると全般的に通過率が低かった。領域間では「共有」が一番高い通過率を示した。具体的には、相手と一緒に活動することや相手へ興味を示すことは可能であるが、相手に自分から働きかけることが課題となっていた。2名のアセスメント結果の違いから、本アセスメントにおいて発達年齢によらない子どもの特徴の把握が可能であることが示唆された。 Ⅱ.典型発達幼児集団への適用:上記の結果を得て、600人(3~5歳)の典型発達幼児への質問紙による仲間関係のアセスメントを行い、現在分析中である。 Ⅲ.障害児の仲間関係支援プログラムの開発:「子ども同士の協同活動発達アセスメント」に対応した仲間関係支援実践例を分析し、支援プログラムを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
障害児へのアセスメントの適用によって、障害特性が検出でき、質問紙の妥当性が確認された。また典型発達児600人への質問紙調査を行い、「仲間関係発達支援プログラム」の開発研究を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
1.「子ども同士の協同活動発達アセスメント」の典型発達幼児600人への適用による分析:典型発達幼児600人(3-5歳)の調査結果を分析し、仲間関係の発達過程の分析と、検査の妥当性の検討を行う。 2.障害児の仲間関係支援プログラムの開発:「子ども同士の協同活動発達アセスメント」に対応した仲間関係支援実践例を収集し、発達支援プログラムを完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
典型発達幼児へのアセスメントを行ったが、分析結果の集計に時間を要し、分析・検討のための謝金の一部の使用などを次年度に行うこととしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
1.典型発達幼児のアセスメント結果の分析・検討:データの分析・検討のための謝金支出など。 2.障害児の仲間関係発達支援プログラム開発:プログラム開発のための教材・行動記録のための消耗品など。
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