特別ニーズ教育の新しい基盤理念開発を目指した萌芽的研究である。ノーマライゼーション理念とインクルーシヴ教育概念理解の特質の明確化から着手し、教師に複数の調査を実施した。インクルーシヴ教育概念の核である「包含」及び「多様性」のとらえ方に欠ける一方、学習形態や学習集団サイズが教師の同概念のイメージとして誤解されていた。また、概念理解の誤りとノーマライゼーション理念へのイメージとの一定の関連性がが明らかとなった。学習評価場面を例示した調査からは、多様性包含の核である環境要因への視座に欠ける状態が顕著であることが示された。研究成果は学術雑誌4編(国内1、海外3)、及び国際学会6編で発表した。
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