5名の高機能自閉症スペクトラム障害の子どもと未知の大人との会話(毎回1時間で15回)の記録のうち、中央の10分間を抜出し、文字転写資料を作成し、それぞれのケースごとに 伝達行動のコーディングのためのシステムを構築し、研究目的を知らない大学院生にコード化を求めた。完成したコード化は、大人を聞き手として特定しないことが問題になった事例でのものである。ベースラインが3/36(聞き手を特定した話しかけ/話しかけ総数)から32/134、トリートメントが2/68から90/117、ウィズドローアルが2/52から31/131となった。トリートメントの時期に聞き手を特定する話しかけの割合の最高値を記録したが、ベースラインからトリートメントへのこの割合の上昇は確認できなかった。
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