研究課題/領域番号 |
26600004
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 充朗 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (20724959)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自己組織化 / 共有結合性有機構造体 / 結晶性多孔質材料 |
研究実績の概要 |
本研究は,アセン類の[4+4]光二量化反応を活用して新たな共有結合性有機構造体(COF)を構築すること目的とする.初年度である平成26年度は,COFの構成ユニットとなる大環状化合物の合成について重点的に検討した.具体的には,①大環状化合物の鍵ユニットとなるビス(オルトフェニレンジアミン)誘導体の合成,②鍵ユニットを連結するための反応条件最適化,および,③鍵ユニットの多量化による大環状骨格の構築,について検討を進めた. 項目①については,アントラセンとアセチレンジカルボン酸ジメチルの付加反応,メチルエステルから長鎖アルキルエステルへの交換反応,芳香族部位のニトロ化,およびニトロ基の還元を経る合成ルートを検討し,目的とする鍵ユニットを効率的に得ることが可能な反応条件と単離・精製法を確立した.特に,還元反応の官能基選択性に関して詳細な検討を行い,目的化合物を高選択的に得る合成プロトコルの開発に成功した.項目②では,過去に報告されていた類似反応の条件を適用した場合に,反応効率が著しく低いことが判明した.そのため,モデル系を用いて詳細な検討を行い,短時間・高収率・高再現性で目的とする反応を行うことができる条件を見出した.項目③では,②の成果に基づいて反応を実施し,多量化反応が効率良く進行することを確認した.しかしながら,目的とする特定の多量体の単離には至っておらず,選択性の向上と精製手法の確立について,さらなる検討が必要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の合成計画に沿って研究を進めている.一部で反応基質依存と考えられる問題がいくつか発生したが,丁寧な検討によって問題解決への道筋を立て,着実な進捗をみている.また,当初は計画外であった官能基変換反応なども並行して進めており,積極的に周辺化学を開拓した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,当初の計画に沿って合成検討を進める. 現在の課題である,多量化反応の効率向上と単離・精製法の確立については,反応条件を系統的にスクリーニングするとともに,容易に精製を行うことができるよう,生成物の十分な溶解度を確保するための誘導体化についても検討する.その後,大環状化合物へのアセン骨格の導入と,その[4+4]光二量化による有機構造体の構築について検討を進める.
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