コンピューターに代表される電子的機能素子は通常固体状態で実現される。最近注目の量子コンピューターでは素子は絶対零度(-273度)程度の低温で機能する。電子的機能は熱雑音に弱い。それでは、室温・液体中という大きな熱雑音下でそのような機能素子は実現できないのだろうか?本研究では、逆ミセルというナノ拘束空間を用いてその実現可能性を調べる。逆ミセルの中に光機能分子を導入し永続的ホールバーニング分光を行い、その分子の光応答の減衰が、熱雑音に関わらず空間拘束により抑制されることが明らかになった。この結果は新規なナノ機能素子実現の可能性を示唆し、生体反応の量子力学的効果の解明においても重要である。
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