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2014 年度 実施状況報告書

半導体型カーボンナノチューブの高精度純度評価と「超」高純度化

研究課題

研究課題/領域番号 26600018
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

田中 丈士  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 研究グループ長 (30415707)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードカーボンナノチューブ / 濃縮 / 分離
研究実績の概要

平成26年度は、半導体型カーボンナノチューブ中に不純物として存在する金属型カーボンナノチューブを濃縮し、検出することを目的に研究を進めた。まず、既存のゲルカラムを用いた金属型と半導体型のカーボンナノチューブの分離法により、半導体型カーボンナノチューブを調製した。本試料を用いて、金属カーボンナノチューブの濃縮と検出を試みた。評価は光吸収スペクトル測定とラマン分光測定によりおこなった。ここでは、ゲルビーズとカーボンナノチューブ試料を混合し、一定時間経過後にゲルに吸着したものとゲルに吸着せず上澄みに残存するものを分離する「バッチ分離法」を用いて、上述の分離時とは異なる条件(試薬組成)を用いて金属型カーボンナノチューブの濃縮を試みた。ゲルとカーボンナノチューブ試料の混合比率や、吸着時間のほか、試薬組成などについて検討をおこなった結果、金属型カーボンナノチューブを濃縮することに成功した。特に、ラマン分光測定では、濃縮前試料では金属型カーボンナノチューブが検出できない量であったのが、濃縮後において、金属型カーボンナノチューブに由来するピークを検出することが出来た。次に、金属型カーボンナノチューブ除去の効率についての情報を得るために、金属型カーボンナノチューブ除去後の半導体型カーボンナノチューブ試料に対して、同様の実験操作を繰り返しおこなった。その結果、二回目の操作後も一回目と同程度の金属型カーボンナノチューブの濃縮を確認することができた。このことは、半導体型カーボンナノチューブ中に存在する金属型カーボンナノチューブの抽出が完全ではなく、半導体型カーボンナノチューブの純度評価に用いるためには改善する必要があることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

半導体型カーボンナノチューブに混入する金属型カーボンナノチューブの濃縮と検出に成功している。また、次年度に向けての問題点の抽出もできており、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

前年度の結果を取り入れ参考にしながら、研究計画に従い遂行する。

次年度使用額が生じた理由

当初、微量のカーボンナノチューブの検出のために、マイクロ石英セルなどの購入を予定としていたが、異なる手法で問題が解決出来たため、消耗品の購入を一部を延期した。

次年度使用額の使用計画

平成26年度に生じた未使用額については、平成26年度に購入を延期した物品のほか平成27年度の研究の遂行に必要となる消耗品費などに充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Solubilization of single-walled carbon nanotubes using a peptide aptamer in water below the critical micelle concentration2015

    • 著者名/発表者名
      Z. Li, T. Kameda, T. Isoshima, E. Kobatake, T. Tanaka, Y. Ito, and M. Kawamoto
    • 雑誌名

      Langmuir

      巻: 31 ページ: 3482-3488

    • DOI

      10.1021/la504777b

    • 査読あり
  • [学会発表] 単層カーボンナノチューブの完全構造分離2014

    • 著者名/発表者名
      田中 丈士、片浦 弘道
    • 学会等名
      学振研究開発専門委員会「産業応用をめざした新物質機能の設計と実証」
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2014-06-10 – 2014-06-10
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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