本研究では、規則的でかつ複雑な曲面からなるY型ゼオライトの細孔内壁にグラフェン1層を均一に堆積させることで、エッジ面の無い閉じたグラフェン曲面からなる3次元炭素構造体を合成する。このためにはゼオライト1 g当たり少なくとも0.7 gの炭素をゼオライト細孔に導入する必要がある。そこで、Y型ゼオライトのナノ粒子(50 nm程度)を調製し、これを鋳型として用いてアセチレンCVDにより炭素担持量の増大を図った。その結果、ゼオライト1 g当たり0.7 g以上もの炭素の導入に成功した。しかし、ゼオライト細孔内部に導入された炭素の他にゼオライト粒子の外表面に堆積した炭素もかなり存在することが判明した。
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