本研究では、直径1 nm程度の金属酸化物クラスターであるポリオキソメタレート(POM)と細胞膜との相互作用に関する実験研究を行った。特定の条件下においては、POMが細胞膜と相互作用を行った結果、POMは細胞膜から脂質分子を奪い、POM-脂質複合体を形成することで抗菌活性を発現させることが観察された。この様な挙動は、エンベロープウイルスが細胞から脂質分子を奪い複合構造を形成するのと非常に良く似た挙動であることが明らかとなった。さらに、この挙動は脂質分子膜の熱力学的安定性に対して強く依存する現象であることも明らかとなった。本研究では、これらの挙動に関して蛍光顕微鏡と用いた検証を行った。
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