表面原子を周期配列させた(構造を規定した)酸化物表面に水中で電場を発生させ、表面を鋳型として水分子を結晶化させることを目標とした。超高真空(UHV)中で作製した二酸化チタン(110)-(1×1)表面を高圧水蒸気、大気、水に暴露した後、UHVに再導入して構造・組成を解析した。(1×1)構造が高湿度環境で安定であることを明らかにし、(1×1)表面が鋳型として有望であると結論した。また、UHVへの導入時に水分子が解離して、その生成物が(1×1)表面に吸着することを見出した。水分子由来の表面種を特定できたことで、含水ガスや水溶液から吸着する原子・分子をUHV中で高感度・高空間分解能に解析できる。
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