有機太陽電池や有機ELなどに用いられる電荷輸送性材料として,π共役系が三次元に広がった化合物の開発が注目されている。π共役配位子を用いて金属錯体を形成することにより,多彩な三次元構造を構築することが可能である。本研究では,強い分子間π-π相互作用を示す三次元π共役金属錯体の合成を目的として,パラジウム触媒による分子内直接アリール化を用いる手法により,π拡張型8-キノリノール配位子を合成した。得られた配位子を用いてAl錯体を合成し,X線結晶構造解析を実施した結果,固体中で二次元ハニカム型シート構造を形成し,そのシート同士が分子間π-π相互作用による積層構造を構築していることが明らかとなった。
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