研究課題/領域番号 |
26600036
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
阿澄 玲子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 副研究部門長 (40356366)
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研究分担者 |
島田 悟 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (10357204)
橘 浩昭 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (10357428)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | グラフェン / パルス光焼成 / ナノ炭素 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、プラスチックを含む任意の基板上に塗布製膜・後処理によりナノカーボン系薄膜を作製する技術を開発し、これを半導体素子や透明導電膜などのデバイスに応用することを目指している。方法として、プリカーサーとなる種々の有機材料の薄膜を基板上に塗布法によって作製し、これに短パルス光を照射して、基板を傷めることなく照射部分の急速加熱焼成を行い、ナノカーボン系薄膜に転換する。この技術を用いてプラスチック基板を含む様々な基板に塗布製膜でのデバイス作製のプロセスを開発することを目指す。 H27年度も、H26年度に引き続き、種々のプリカーサーを用いて塗布製膜により薄膜を作製し、光源として白色光であるキセノンフラッシュランプを用いて光焼成を試みた。側鎖に芳香環を有するポリシラン薄膜にパルス光を照射することにより、グラファイト様な化合物に変化することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度に引き続き、種々の有機高分子の溶液や水酸化グラフェンの分散液などを検討した。特に、側鎖に芳香環を有するポリシラン薄膜にパルス光を照射することにより、グラファイト様な化合物に変化することを見出した。この結果をもとに第30回エレクトロニクス実装学会春季講演会などで発表を行った。その他パルス光焼成に関する展示会出展などを行った。
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今後の研究の推進方策 |
計画どおり、一軸配向膜を含む種々の前駆体薄膜の光プロセスを検討し、高い電子機能を発現する膜の開発を目指す。また、グラフェン関連物質として無機の層状化合物およびこれの液相剥離分散液についても情報収集を行い、必要に応じて炭素系材料とのハイブリッド化も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
H27年度雇用したテクニカルスタッフの、本課題に従事する期間を短縮したため、人件費が当初予定より少なくなった。また、東京で開催される学会で発表することとなったため、旅費が当初予定より少額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬や石英基板などの消耗品に支出する予定である。また、研究成果発表および情報収集のため国際会議に参加する予定であるので、参加登録費および旅費に支出する予定である。
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