本研究は,磁性体を用いた光回路に関する知見を発展させ,スピン波(磁化の波)の配線を,伝播媒体を加工することで形成した。光回路で既に実現されているような,シリコンを細い棒状に加工して,基板上で光を曲げたり,その場に留めたりといった挙動を,同じ波動であるスピン波でも実現した。スピン波の伝播媒体を薄膜形成した。2次元マグノニック結晶と呼ばれる磁性体の2次元周期構造を用いることで,スピン波が曲げられることを確認した。金属周期構造を用いることで,マグノニックバンドギャップ(ストップバンド)の発現を確認した。バッファー層を介して多結晶基板上にイットリウム鉄ガーネットを,スパッタ法を用いて形成した。
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