研究課題
一般的に別種の結晶が隣接した間に存在する、原子配列の乱れた領域は界面と呼ばれている。この界面における界面エネルギーや歪エネルギーの関係から、界面には不純物や添加物が析出しやすくなっている。また、界面の原子構造は界面の移動度と相関を有し、原子間結合が切れているほど界面は移動しやすい。このような関係から、界面の観察は相変態の核生成や成長過程を知るために重要な役割を担っている。結晶界面はそれを定義するパラメータによって数種類に分けられているが、特に異相界面とは結晶構造の異なった結晶が隣接した際に生じる界面のことである。その2つの結晶構造の類似具合によって大きく分けると3種類となる。1つは隣接した2つの結晶粒のある原子面が全く同一の原子配列を持っている完全整合界面と呼ばれるものである。そのため界面転位は全くもしくは殆ど存在せず、界面付近の格子が弾性的に歪むことで界面におけるその不整合さが緩和されている。隣接した2つの結晶粒のある原子面において原子列が1:1対応ではなく、界面の不整合さが大きくなり、界面転位が存在する半整合界面と呼ばれるものである。もう一つは隣接した2つの結晶粒のある原子面において、原子の配列が全く異なる非整合界面である。これらの界面について詳しい情報を得ることは材料の特性を知る上で大変重要なことであるが直接観察では現在までに界面を原子オーダーで直線的に観察した例はない。このため、より詳しい界面情報の取得のため界面を「面」で観察するための手法をTEMによって取得した画像を用いて画像差分法によって目指した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Micron
巻: 82 ページ: 1-8
10.1016/j.micron.2015.12.002
http://zaiko13.zaiko.kyushu-u.ac.jp/index-e.html