研究課題/領域番号 |
26600052
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
内橋 貴之 金沢大学, 数物科学系, 教授 (30326300)
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研究分担者 |
飯野 亮太 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (70403003)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 1分子イメージング・ナノ計測 / 高速原子間力顕微鏡 / 膜タンパク質 |
研究実績の概要 |
本年度は、電子ビーム(EB)リソグラフィー及び収束イオンビーム(FIB)を用いて基板へのナノ開口パターンの形成を試みた。EBリソグラフィーではアルミ蒸着ガラス基板へ、直径約50nmの開口パターンを形成し、光学顕微鏡/AFM複合機で開口形成の確認を行った。その結果、光学顕微鏡で透過光を確認できた位置でも、AFM像では開口が確認できず、残留レジスト膜により開口形成の歩留まりが良くないことがわかった。FIBでは、シリコン基板に直径約100nm程度の開口パターンを形成できる事を確認した。 開口パターン形成後の膜タンパク質の高速AFM観察に向けて、カリウムイオンチャネルKcsAのマイカ基板上での観察を行った。その結果、高速AFMで膜中のKcsA四量体を解像でき、膜内核酸運動を観察できることを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電子ビームリソグラフィーによる開口パターン形成が当初予定より遅れており、直径が50nm程度の開口を効率よく形成することができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
収束イオンビームによる酸化膜付きシリコン基板への開口パターン形成を進める。開口パターンの作成の後、脂質二重膜の張り付けと、蛍光色素の封入により開口の密封度を蛍光顕微鏡で検査する。また、開口径が数十nm程度のガラスニードル先端への脂質膜の張り付けも試みる。 開口への膜の張り付け法を確立した後、イオンチャネルKcsAを再構成した脂質膜を用いて、高速AFM観察を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた成果発表の旅費及び人件費を今年度は支出しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は高速AFM観察の頻度が増えると予想されるため、AFMカンチレバー購入に繰越分も含めて使用する。
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