ナノポアシーケンサにおいて高精度な塩基識別実現に向けた課題は、通過速度の低速化と安定化である。そのためには、ナノポア通過直前・直後のDNAの形態やそれに依存したドリフト運動と拡散運動の競合等を明らかにする必要がある。本研究では、ナノポア通過中、ならびに通過後のDNAコイル形成と空間的移動の観測に必要な100nm、0.1msの空間・時間分解能を有する光学的観察手法の開発、動作実証をおこない、さらにナノポア近傍の電場に起因する特徴的なDNA通過挙動を見出した。また塩基情報解読に向けてSTED利用の有効性を確認し、プラズモニック・ナノポアの作製に成功した。
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