研究課題
単純な運動を観察するため、キャピラリーが振動する装置を作製した。酸化還元種を含む溶液中にキャピラリーを挿入し、センサ電極近傍で振動させ、この振動による溶液の移動を電気化学的にイメージングした。使用した酸化還元種の酸化電流をセンサで取得した結果、液流れによる酸化還元種の供給を可視化した。これにより、単純な系での計測と液流れに関する考察を終えた。続いて、微小生物の動体解析を実施した。前年度まではフェロシアン化物イオンを指標に用いて、この酸化電流値を取得していた。しかしながら、フェロシアン化物イオンは細胞毒性があるため、別の酸化還元種を指標に使用する必要にある。そこで、溶存酸素を指標にした計測を実施した。この結果、溶存酸素を指標に利用できることが判明し、非侵襲的な計測を達成した。一方、溶存酸素を使用した場合では測定計測感度が低下したため、続いてデータ解析法を検討した。この結果、高感度な電気化学イメージングを達成した。現在、この成果の学術論文を執筆中である。微小生物のような大きな物体に関しては精度良く、動体解析が可能であった。一方、心筋細胞のような局所な動体解析は困難であった。そこで、電極サイズや計測システムの検討を行った。この検討により、計測感度を向上させることに成功したが、1細胞レベルの計測は達成できなかった。本研究では動体解析に向けた電気化学イメージングシステム・デバイスを開発した。電気化学イメージング手法を用いて、ミジンコのような微小生物の動体解析に世界で初めて成功した。酸化還元メディエーターであるフェロシアン化物イオンを用いた計測だけでなく、溶存酸素を指標にした計測を達成し、非侵襲的な計測を実現した。光学的手法と組み合わせることで、新しいセンサシステムとして期待できる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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