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2015 年度 実績報告書

2次元層状薄膜を用いた励起子レーザの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26600081
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

森 貴洋  国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 研究員 (70443041)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード遷移金属ダイカルコゲナイド / 二硫化モリブデン / 電界効果トランジスタ / 励起子発光 / 固定電荷
研究実績の概要

本年度は、遷移金属ダイカルコゲナイド(MX2)を代表する材料である二硫化モリブデン(MoS2)と絶縁膜との界面特性の詳細な評価を実施した。評価のためにはMoS2電界効果トランジスタ(MOSFET)を試作し、界面特性評価用の素子とした。
電気的測定評価としては、まずCapacitance-Voltage(C-V)測定を実施した。SiO2、Al2O3、HfO2の3種について、電荷局在を発生させる固定電荷量の評価を試みた。固定電荷量の評価は閾値シフトの大きさを評価することで実現される。それぞれの素子において異なる閾値シフトが観測された。しかしながら、素子特性のばらつきが大きく、絶縁膜ごとの違いを示すような系統的なデータは得られなかった。
このばらつきの原因を探るために、昨年度実施した実効移動度評価を詳細に進めた。そのために、実効移動度をフィッティングによって評価するモデルを確立した。このモデルを用いた評価の結果、素子間ばらつきの要因はMoS2膜自身が持つ帯電不純物によることが明らかとなった。その量は単位面積(cm2)あたり10の11乗から10の13乗個であった。なお、この結果については論文発表を行なっている。
励起子局在を起こさせるような固定電荷量は、導入しても10の12乗から13乗個程度であるので、上記のような帯電不純物がMoS2膜中に存在すると、帯電不純物の影響が大きく固定電荷の効果は観測できないことが分かる。もし帯電不純物へも励起子が束縛されるのであれば、本研究で意図した局在効果が同様に発現するものと考えられる。昨年度得られた強い発光はその効果によるものとも考えられるが、現状でこれを明らかにする手段がないため、この仮説の検証は不可能であった。
本研究で目指した内容を実現するためには、今後MoS2成長技術の進展により、膜内帯電不純物の削減が求められる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Characterization of Effective Mobility and its Degradation Mechanism in MoS2 MOSFETs2016

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Mori, Naruki Ninomiya, Toshitaka Kubo, Noriyuki Uchida, Eiichiro Watanabe, Daiju Tsuya, Satoshi Moriyama, Masatoshi Tanaka, and Atsushi Ando
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Nanotechnology

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      not published right now

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 二次元原子膜のトランジスタ応用2016

    • 著者名/発表者名
      森貴洋
    • 学会等名
      2016年真空・表面科学合同講演会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2016-11-29 – 2016-11-29
    • 招待講演
  • [学会発表] MoS2デバイスの現状と展望2016

    • 著者名/発表者名
      森貴洋
    • 学会等名
      日本学術振興会ナノプローブテクノロジー第167委員会研究会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2016-06-19 – 2016-06-19
    • 招待講演
  • [学会発表] 遷移金属ダイカルコゲナイドの極薄ボディMOSFET応用2015

    • 著者名/発表者名
      森貴洋、二之宮成樹、内田紀行、久保利隆、渡辺英一郎、津谷大樹、森山悟士、田中正俊、安藤淳
    • 学会等名
      第76回応用物理学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2015-09-13 – 2015-09-16
    • 招待講演
  • [学会発表] Characterization of the effective mobility by split C-V technique in MoS2 MOSFETs with high-k/metal gate2015

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Mori, Naruki Ninomiya, Toshitaka Kubo, Noriyuki Uchida, Eiichiro Watanabe, Daiju Tsuya, Satoshi Moriyama, Masatoshi Tanaka, and Atsushi Ando
    • 学会等名
      2015 IEEE International Conference on Nanotechnology
    • 発表場所
      イタリア・ローマ
    • 年月日
      2015-07-27 – 2015-07-30
    • 国際学会
  • [学会発表] High-k/MetalゲートMoS2 MOSFETの試作と評価2015

    • 著者名/発表者名
      森貴洋、二之宮成樹、内田紀行、久保利隆、渡辺英一郎、津谷大樹、森山悟士、田中正俊、安藤淳
    • 学会等名
      電子情報通信学会シリコン材料・デバイス研究会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2015-06-19 – 2015-06-19
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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