研究課題/領域番号 |
26600082
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
片山 竜二 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40343115)
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研究分担者 |
横山 弘之 東北大学, 未来科学技術共同研究センタ-, 教授 (60344727)
窪谷 茂幸 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70583615)
谷川 智之 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90633537)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 非線形光学 / 第二高調波発生 / 窒化アルミニウム / 酸化ジルコニウム / パルスレーザ堆積 / 反応性スパッタリング |
研究実績の概要 |
1.パルスレーザ堆積によるAlN薄膜の成膜と高品質化 前年度に引き続き、成膜にはパルスレーザ堆積装置を用い、AlN焼結体ターゲットをKrFエキシマレーザによりアブレーションすることで、c面サファイア基板上へのAlN薄膜の成膜を行った。また今年度は、c面サファイア基板上GaNテンプレート上と、c面ZnO基板上についても成膜を行った。このとき高純度窒素ガスを導入し、成膜の圧力、レーザ励起強度、基板温度を最適化することで、結晶品質、表面平坦性と面内膜厚均一性の更なる改善を行った。 2.反応性スパッタリングによるZrOx薄膜の成膜と物性評価 こちらについては、前年度に成膜した薄膜の光学定数(光学吸収端と屈折率分散)を分光エリプソメトリを用いて評価を行った。250 nm近傍までの透明性と、正常分散を含めた、光学パラメタの抽出を行った。 3.四層スラブ導波路の設計 前年度に引き続き、数値計算によりモード位相整合条件を満たす導波路膜厚を決定し、素子設計を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度から開始したパルスレーザ堆積装置によるAlN成膜について、平坦で膜圧均一な単結晶薄膜が得られ、またZrOx薄膜も含めた構成材料の光学特性についても評価が進んでいることから、最も懸案であった研究項目を達成しており、順調に研究遂行できていると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度より研究代表者は大阪大学工学研究科に異動となり研究室を主宰し、本研究内容に専念することとなる。特に当該研究室では電子線描画装置ならびにリソグラフィー、端面研磨用の素子加工設備などを保有していることから、下記の素子実証にむけた研究が更に加速するものと考えている。 平成27年度までに成膜と物性定数の評価を完了した材料を組み合わせて、可視から深紫外第二高調波発生の実証を行う。特に端面を研磨装置にて平坦化し、結合効率の向上を狙う。第二高調波発生には、まず分光分析用固体レーザを励起光源として用いて測定を行う。現有のNd:YAGレーザの二倍波(532 nm)を用いて励起し、波長266 nmの第二高調波を検出する。続いてチタンサファイアレーザの二倍波(400~450 nm)で励起し、200~225 nmの高調波を検出する。併せて偏光依存性、励起密度依存性、位相整合可能な最短波長を調査する。また同時に、AlN薄膜の極性反転構造の作製を進め、ZrOx/AlN導波路との性能を比較する。 スラブでの実証の後、と、チャネル型もしくはリッジ型導波路による素子プロトタイプの形成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は平成27年度より東北大学金属材料研究所先端エネルギー材料理工共創研究センター兼務となり、その経費での支出や出張等が可能であったため、余剰が生じた。また平成28年度より大阪大学に異動しより充実した研究環境による研究遂行が可能であると予想されたため、次年度への繰越を行った。
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次年度使用額の使用計画 |
新たな所属にて保有の電子線描画装置や、ダイス・研磨装置を用いたチャネル型光導波路形等を行い、より実用に近い素子構造における深紫外光発生を試みる。
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