研究課題/領域番号 |
26600088
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
牧本 俊樹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50374070)
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研究分担者 |
堀越 佳治 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (60287985)
藤田 実樹 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60386729)
日比野 浩樹 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60393740) [辞退]
前田 文彦 福岡工業大学, 工学部, 教授 (70393741) [辞退]
関根 佳明 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, その他部局等, 研究員 (70393783)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | MBE / RFプラズマ / B固体ソース / BN / BGaN / BAlN / グラフェン |
研究実績の概要 |
今年度は、以下の2点について研究の進展があった。 (1)まず、半絶縁性4H-SiC(0001)基板を真空中で加熱し、Si原子を選択的に昇華させることにより、SiC基板表面にグラフェンを成長した。そして、これらのグラフェンに対して、ラマン分光およびホール効果測定による評価を行い、1から2原子層のグラフェンが形成されていることを確認した。次に、このグラフェン上に絶縁物であるAlN層をMBE法で成長した。成長温度は、成長温度は800℃と500℃である。そして、グラフェン上に成長した厚さ5 nmのAlN層の表面を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価した。この結果、グラフェン上にAlN層を成長する温度を800℃から500℃へ低下させることにより、表面の平坦性が向上することを明らかにした。また、上記のSiC/グラフェン/AlN構造に対して、ホール効果測定を行うことにより、500℃でAlN層を成長させることにより、グラフェンの移動度が低下しにくくなることを明らかにした。このことは、AlN層とグラフェンの接合界面の状態がグラフェンの電気的特性に大きな影響を及ぼすことを示している。この結果を国内の学会で発表した。 (2)現在のBN成長速度が遅いので、高温セルによりB原子をさらに多く蒸発させる必要がある。そこで、B用セルの温度をセルの限界まで高くして、MBE法によりAlN表面上へBNを成長した。そして、100℃ほど低い従来のセル温度でBN成長をした場合に比べて、AlNに対する反射高速電子回折(RHEED)像が早くぼやけることを確認し、成長速度を高くすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の途中で窒化物半導体を成長するMBE装置が故障したため、研究遂行に想定以上の時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、B用セルの温度を限界まで高くして、グラフェン上にBNを成長する。そして、その表面状態や電気的特性を評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要なMBE装置が故障したため、研究が予定通り進行しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究に必要な消耗品の購入や学内の装置使用料を支出する予定である。
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