シールド機構を備えた原子間力顕微鏡(AFM)を開発し、それにより液中AFMの安定性および力分解能を改善した。電子顕微鏡観察用の窒化シリコンメンブレンに集束イオンビームにより微小な穴を設け、そこを通して探針のみを液中に浸漬することを可能とした。また、カンチレバーとメンブレンとの接触を避けるために、カンチレバーに比較的長いクオーツ探針を接着し、さらにその先端に電子線堆積(EBD)カーボン探針を作製した。これらの工夫により、探針のみを浸漬した状態での原子分解能観察を実現し、力分解能を3倍程度改善した。この技術は、気体発生環境下での安定な計測や、電位分布計測技術の定量性改善に有用であると期待される。
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