研究課題
氷結晶成長環境(0℃以下)の原子間力顕微鏡(AFM)を用いたナノメートルオーダー観察は、熱の影響が大きい光学系を用いた市販のAFMが用いられてきたため困難であった。この問題点を解決し、氷表面を分子分解能で測定するためには、探針の変位検出を、光学的手法を用いない自己検出型のAFMの開発を今年に行った。前年度の整備した専用のAFMヘッドと縦型振動型のセンサを用いて周波数変調モードのAFM実験をおこなった。NaClおよびCaCO3、HOPG(Highly Oriented Pyrolytic Graphite)において、ステップ・アンド・テラス構造を観察することに成功した。一方、周波数変調モードAFMの原子分解能に必要と考えられている負の周波数シフトを捉えることができなかった。この課題を解決するためにはAFM探針の振動を安定化が必要であると考えた。一つの解決方法として自己検出型AFMに見られる反共振点を取り除くための回路を開発し装置に組み込んだ、反共振点がない安定な振動を確認できたが、原子分解能で試料表面を測定することはできなかった。今後は自己検出型のAFMセンサの条件を見直していく必要があると考えている。
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