金属内水素の検出技術として非弾性電子分光法を開発した。電子の平均自由行程より小さいナノ接合に電圧を印加すると、電子は高エネルギーをもつ弾道電子として振舞う。この弾道電子はフォノンや金属中水素と衝突・散乱することでエネルギーを失う。この非弾性散乱過程を、電流-電圧特性の微分伝導測定を通して追跡することで、水素化物の水素濃度・エネルギー状態などを究明できることを明らかにした。さらにパラジウム、バナジウム、ニオブ等の金属でできたナノ接合を用いて非弾性電子分光実験を液体水素中で行うと、バイアス電圧印加に伴い水素が吸蔵され、高濃度の水素化物が生成されることを見出した。
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