次世代高機能イオン顕微鏡として大きな期待を寄せられているヘリウムイオン顕微鏡にスピン分析機能を持たせるためのイオン源開発の中で、特にスピン偏極イオンの生成手法として最も有望と考えられる表面過程を利用した電界イオン化に着目した。その電子遷移過程のメカニズムを深く理解することを目標に、マイクロプローブホール電界イオン顕微鏡を用いて試料表面上を直径30pmという極めて微小な領域からの放射されて来る電荷イオンの示す放射特性を直接的に計数計測することで、単一表面原子位置での電場形成とガス粒子の供給過程に及ぼす周辺原子の影響を定量的に捉えることに始めて成功した。
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