研究課題
近年、テラヘルツ波を活用した計測によりサイエンスの新しい扉が開かれる中、高感度かつ所望の特性を実現可能なテラヘルツ計測ツールの実現が鍵となっている。本研究課題では達成数値目標として、①-60 dB消光比、②90%強度透過率(透過電力)、③高堅牢性、④低コストの4点全ての両立を定めた。高堅牢で低コストな金属スリットアレーー構造を用いることで、-50 dB以下程度の高消光比、80%程度の高透過電力を約2 THzまでの比較的広帯域で実現した。金属スリットアレー構造として、フィルム構造と中空構造を用いている。フィルム構造では低損失なシクロオレフィンポリマーフィルムの片面に導体損失の少ない銅層を直接成膜している。中空構造では、導体損失の少ない金層を成膜した金属を用いている。フィルム構造のテラヘルツ波帯偏光子に関する研究内容は、2015年2月にApplied Physics Expressに論文が採択された。中空構造のテラヘルツ波帯偏光子に関する研究内容は、2016年1月にOptics Lettersに論文が採択された。さらに、本偏光子GoIS(R)(茨城大学帰属にて商標出願)に関する知的財産の権利強化と製品化の際に必要となるデータ収集に特化した別の研究プロジェクトへも派生した。その後、製品サンプルも完成した。2017年4月に本研究に関連した内容に平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞が贈られた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Applied Physics A
巻: Volume 123, Issue 2 ページ: pp.139-144
10.1007/s00339-016-0714-3
電子情報通信学会論文誌B
巻: vol.J100-B, no.3 ページ: pp.235-244
10.14923/transcomj.2016JBP3027
http://suzuki-lab.ee.ibaraki.ac.jp/