1. マルチコアファイバーを用いた能動モード同期レーザーによるモード選択はうまくいかなかった。波長分散により多くのスーパーモードがいろいろな波長で励振してしまうためと考えられる。もう一度卒研生の研究テーマとして単一コアのYb添加ファイバーで能動モード同期レーザー発振器を構築し、安定性向上に努めた。平均出力250 mW、パルス幅8.30 ns、パルスエネルギー 11.1nJ、ピーク出力 1.33 W が得られ、音響光学素子印可周波数22.61MHzを中心に範囲約10kHzでモード同期が得られた。
2. 前年度開発した位相同期マルチコアファイバーの干渉法によるモード解析で、高画素数のカメラを導入し、高品位な干渉縞測定により電界分布を詳細に評価できるようにした。これにより6コアYb添加マルチコアファイバーレーザーのエンドシール位相同期において、out-of-phaseモードの割合を75%まで高めることができた。
3. 可飽和吸収体を遠視野に配置し強度の強いin-phaseモードのみ選択励振させるQスイッチ位相同期マルチコアフォトニック結晶ファイバーレーザーを、モード同期に適用できないか挑戦した。可飽和吸収体として共振器周期よりも高速な吸収回復特性を持つ半導体可飽和吸収鏡を用いてさまざまな条件で実験を行った。緩和発振状態でのモード同期らしきものが得られ、in-phaseモード主体のビーム形状が得られたが、安定なCWモード同期は得られなかった。
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