研究課題/領域番号 |
26600121
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
岩長 祐伸 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端フォトニクス材料ユニット, 主任研究員 (20361066)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | サブ波長光学素子 / メタ表面 / メタマテリアル |
研究実績の概要 |
研究代表者のこれまでの研究を通じて行ってきたサブ波長光学素子の新しい設計を具現化し、これまで実現できていないサブ波長の厚さしかない極めて薄く、なおかつ高性能な光学素子を創製することを本研究の目的としている。 本研究は金属ナノ構造を含むメタ表面からなるサブ波長光学素子の原理検証にとどまらず、実用性を示す段階までを目標としているため、ナノ加工工程の高スループット化は必須であり、ナノインプリント法をナノ加工法として採用した。ナノインプリント法は電子線リソグラフィ法と同程度の高精度なナノ加工が可能であるが、この方法に関するノウハウが研究代表者の所属機関において蓄積されていなかったため、その蓄積・集積を経て、大規模数値計算に基づく設計による金属ナノ構造を忠実に作製できる技術水準に達することができた。 光学素子の操作すべき物理量は光波の偏光ベクトルと位相の2つである。これに対応して基本光学素子は最小でも2種類になる。これら2つの基本光学素子に関して、サブ波長の薄さかつ高性能を満たす素子はいずれも実現されたことがない。平成26年度においては基本光学素子のうち1つを実際にナノインプリント法を用いて大面積(センチメートル平方サイズ)かつ高精度に作製し、その光学特性の評価を行った。その結果、数値計算のよる設計と同程度以上の高性能な素子が得ることができた。残るもう1つの基本光学素子に関しても、工程の考案とその実施に努め、具現化に近づいく段階まで進むことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノインプリント法による大面積かつ高精度なサブ波長光学素子の作製を実施し、数値計算による設計を再現する高性能な素子を得ることができた。これは当初計画で予定していた第一段階に相当するものであり、研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
高性能素子の光学測定には測定量の高精度な測定が不可欠であり、これを実施する。基本的なサブ波長光学素子の性能を明らかにしたうえで、本研究で最終的に目的とする複合型素子の作製を行う。これには基本素子の工程を重ねて目的を達する計画である。 研究成果の発表にも内容と時機を最適化するように配慮しながら、できるだけ速やかに行う計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況を考慮して、論文投稿料や研究成果発表旅費を次年度に執行することに変更したため。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究成果の発表のタイミングと内容を最も効果的にするために、次年度前半にこれらを実施することを計画している。このタイミングに合わせて次年度使用額も執行する。
|