研究課題
本研究では、水晶振動子マイクロバランスを用いたナノ粒子計測法を発展させてナノ粒子の輸送の動的振る舞いを利用することで、ナノ粒子のサイズ・密度・帯電量とフラックスの計測を可能にする従来にないコンパクトなドリフトチューブ型ナノ粒子検出法を創成して、プラズマ中のナノ粒子の振る舞いに関する新たな学術基盤を構築することを目的とする。平成27年度は、平成26年度に得た結果を基に設計したコンパクトドリフトチューブを製作し、これを用いてナノ粒子の動的振る舞い計測を実施した。高密度水素ヘリコンプラズマとカーボン壁相互作用で発生したナノ粒子のチューブ内での輸送状況を調べるため、平行平板型の2枚のバイアス電極を放電の中心軸から直角方向に設置し、片方を接地、他方を正バイアスして電極へのナノ粒子堆積をSEMで調べた。電極上には滴状のナノ粒子が多数捕集された。これは気相中で溶融したナノ粒子がが基板との衝突時に変形・固化したものだと考えられる。捕集したナノ粒子のサイズ分布の放電中心軸からの距離依存性を調べた所、距離の増加と共にピークサイズおよび最大粒子束は単調減少した。また滴状ナノ粒子は捕集面上で角度を持って堆積しており、これらサイズ分布や堆積方向、形状からダスト輸送の動的振る舞いを評価可能であることを明らかにした。今後は、数値シミュレーションによる評価を合わせて、ナノ粒子の輸送特性についてより詳細に評価する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Proc. 68th GEC/9th ICRP/33rd SPP
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10.1016/j.jnucmat.2014.10.049
http://plasma.ed.kyushu-u.ac.jp/index.html