研究課題
実際のビニールハウス内の畝(11mx1m)に対して、オゾン処理を施し、植栽実験を行った。植栽中の成育プロセスの観測と評価に引き続き、収穫後の重量や長さ、また葉の枚数等についても評価を行った。今回のオゾン処理では、11mの長さの畝を処理可能な移動式オゾン噴霧処理装置を開発した。土壌のオゾン処理方法については、攪拌しながら処理する方式と拡散により土壌表面を中心に処理するものがあるが、今回は後者の方式を採用した。オゾン拡散法式では、土壌深部への処理は難しいが、処理対象である土壌線虫等は表面近くに潜んでいること、また、播種も表面近傍であることから、本方式が最も効率的であると考えた。1つの畝をコントロールとし、オゾンドーズを変化させて2つの畝をオゾン処理し、3つの畝それぞれに、二十日大根、小松菜、ほうれん草を植え、その後の成長を観察した。植栽中の成長具合を真上からデジタルカメラで撮影し、2G-R-B値による成長評価方法について検討した。また、収穫後のトータル質量を各株ごとに測定した。オゾン処理を施した畝では、pHの低下がみられ、土壌中の窒素栄養は増加した。ほうれん草はアルカリ土壌を好むため、発芽率の低下が見られた、一方で、株毎の質量は増加した。小松菜、二十日大根に関しても、オゾン処理畝で栽培した方が、大きく育った。成育途中における2G-R-B値には大きな差異が見られ、収穫後の質量はコントロールの1.3倍程度であった。ベルマン法により抽出した線虫の数もオゾン処理畝では減少しており、消毒効果と肥料効果の両方が確認された。
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