研究課題/領域番号 |
26600140
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 裕次 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30344401)
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研究分担者 |
大友 季哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (90270397)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中性子 / 1分子計測 |
研究実績の概要 |
直径マイクロメートル以下の中性子回折する微結晶を目的分子に標識し、秒レベルの時分割で中性子1分子追跡法(Diffracted Neutron Tracking :DNT)を実現します。同様の発想でX線及び電子線において1分子追跡法はすでに実現させており、本研究成果で3大量子ビームを用いた1分子追跡法が完成します。X線1分子追跡法(Diffracted X-ray Tracking ;DXT)では、1998年に本申請の佐々木裕次によって提案実証されて以来、多くの機能性タンパク質分子の機能に伴う分子内部動態計測を実現してきました。中性子をプローブに用いる最大の利点は、そのダメージレスです。これによりX線や電子線では全くできなかった長時間時分割測定が初めて可能になります。今年度は標識可能なナノ結晶の素材を決定するために、金ナノ結晶とダイヤモンド結晶の中性子回折評価を行った。その結果、直径0.1ミクロンのダイヤモンド結晶の方が、非常に高感度であることをJ-PRAC(NOVA BL21)での実験で証明できた。再現実験を行う予定であったがJ=PRAC自身の閉鎖等で進んでいない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金ナノ結晶ではなくダイヤモンド結晶が最適であったことは予想外で、中性子実験ならではの結果であり、多くの研究会で発表したが、かなり注目された成果となった。
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今後の研究の推進方策 |
J-PRACを用いた実験を進めるが、やはりマシンタイムが少ないので、原子炉系の中性子光源等の利用(フランス、イギリスにある)も積極的に検討する。国際会議で議論した中性子研究者にも本研究の意義を理解してもらったので、今後の協力が得られる予定である。本研究は中性子計測技術としては、極めて重要な成果となるので、国内外の多くの共同研究を今後進めて行きたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が継続中であるため。
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次年度使用額の使用計画 |
サンプル周りの消耗品とJ-PARCへの旅費等に使用する。
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