研究課題
超伝導加速空胴の性能を飛躍的に向上させる可能性のある超伝導薄膜構造の研究を進めるため、極低温下での超伝導薄膜の特性を交流磁場印加時の3次高調波発生を測定することによって評価するシステムの整備が完了し、世界で初めて超伝導薄膜構造でNbの限界を超える測定データを得ることに成功した。薄膜サンプルはKEKやメーカーの協力により製作され、世界で初めて高純度バルクニオブ板に薄いSiO2絶縁層を挟んでNbN超伝導薄膜を載せた体系ではNbの第一臨界磁場を超える磁場に耐える世界初の結果を得た。この測定により、今後の薄膜製作に於ける指針の策定が可能になり、超伝導加速空胴の性能向上に向けて一層の拍車を掛けることが可能になった。極低温環境は液体へリウムによる冷却により実現している。不慣れなこともあり、装置の立ち上げに時間が掛かったが、迅速な研究の推進のためヘリウムガス回収ラインやクライオスタット周りの設備、極低温温度の計測を可能とするモニターやそれによる温度センサーの温度校正、液体ヘリウム注入量の測定など、液体ヘリウム注入による冷却やそれによる極低温での温度制御を可能とするシステムの整備等が完了し、まだ手動ながらも3次高調波測定を可能にした。測定に於ける印加磁場範囲の拡大や自動化など、装置の改善の余地はあるものの、十分な性能を有している。世界初のデータを得ることができ、今後の研究推進に貢献できるシステムの構築に成功した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件)
Proceedings of the 18th International Conference on RF Superconductivity
巻: 1 ページ: 877-890
10.18429/JACoW-SRF2017-THPB058
巻: 1 ページ: 368-373
10.18429/JACoW-SRF2017-TUYBA01
Proceedings of the 9th International Particle Accelerator Conference
巻: 1 ページ: THPAL015
Proceedings of the 8th International Particle Accelerator Conference
巻: 1 ページ: 1043-1045
10.18429/JACoW-IPAC2017-MOPVA076
Proceedings of the 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan
巻: 1 ページ: 27-29