金属内包フラーレンの簡易的,かつ効率的な合成の実現を目指して,ホットウォール型合成装置の製作を行った.アルゴンおよび窒素でのプラズマ生成を確認した後,金属の中では比較的蒸気圧の高い亜鉛を用いて金属プラズマ生成実験を行った.炉の温度を400℃程度まで上昇させたとき亜鉛の蒸発温度となり,発光色は青く変化した.500℃に達したあとアルゴンの供給を止めても放電は持続した.基板ステージの付着物の元素分析を行ったところ,亜鉛の確認ができ,イオンビーム化に成功したと考えられる.初期実験として,窒素内包フラーレンの合成を試み,窒素―フラーレンの化合物の合成に成功した.亜鉛の合成は不純物が多く確認できなかった.
|