超高分解能の中性子イメージングを実現するマルチアレイコリメータの設計開発を行った。本コリメータは25μmのGd箔と1.5μmのAl箔を交互に積層させた構造を持つ。最初は0.8μmのAl箔を使用したがあまりにも薄いためGd箔との接着が困難であり、また箔の所々に孔が空いていたため使用を断念し、1.5μmのAl箔を使用することとした。 薄膜を正確に積層させるためには極めて精密な製作・組み立て技術が必要となる。特にAl箔は極めて薄いため、それをそのまま切り抜き、組み立てることは極めて困難である。そこでGd箔とAl箔をクリーンルーム内で接着させた。次に精密な金型を製作し、Al箔を接着させたGd箔をプレス加工で目的の形に抜き出した。これをSUSで作製した高精度の枠に積層させた後に表面を研磨した。これを2個用意し、垂直に組み合わせてマルチアレイコリメータを完成させた。またスキャン撮像するために必要なピエゾステージ制御プログラムをLabVIEWにて自作した。 マルチアレイコリメータを用いた中性子イメージングの撮像実験をJ-PARC MLFにて予定していたが、水銀ターゲットの水漏れが発生したためにJ-PARCが停止し、研究期間内に撮影はできなかった。
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