水溶液中におけるリガンド-受容体相互作用の高精度・高速計算を実現するために、原子モデルに比べて大規模系を高速に計算できる粗視化モデル力場関数:MARTINIの適用可能性を検証した。その結果、MARTINIは、インフルエンザウイルスの表面上に存在するヘマグルチニン分子とヒト糖脂質分子間のリガンド-受容体相互作用の実験結果を定性的に再現することを明らかにした。また、コロイド懸濁液での分子動力学法と古典密度汎関数法のハイブリッド法の先行研究を調査し、系の中で大多数を占める水分子を古典密度汎関数の一種であるSAFT理論で扱うことにより、さらに計算を高速に実現できる可能性を得た。
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