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2015 年度 実績報告書

ムーンシャインに類似する諸現象と頂点作用素代数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26610004
研究機関東京大学

研究代表者

松尾 厚  東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (20238968)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードムーンシャイン / 頂点作用素代数 / 単純リー環 / 共形場理論 / 極小巾零軌道
研究実績の概要

本年度は、アンブラル・ムーンシャインの専門家である John F.R. Duncan 氏が来訪したので、この機会を利用して,研究協力者の山内博氏とともに,ムーンシャインの一般化に関する議論を行った。その結果,アンブラル・ムーンシャインの枠組みと共形場理論におけるいわゆるADE分類に類似した点があることが判明したので、これについて共同研究を行う方向となり,引き続き議論を行った。また,コンウェイ・ムーンシャイン加群を含む正則な超頂点作用素代数の分類について,階数の低い場合のユニモジュラー奇格子の分類の観点から考察を行った。
また,大学院生と共同で,本研究当初からの懸案であったカイラル・ド・ラーム複体と楕円種数に関する文献を調査し,その一部について具体的な計算を行った。楕円種数を調べるのにカイラル・ド・ラーム複体が利用できるが,その背後にあるシグマ模型を扱うには不十分と考えられる。本年度の研究によって,このような点について知見が得られたように思われるが,より正確に理解するには,さらなる研究が必要である。
さらに,本研究に役立つと考えられる補助的な研究として,対称性の大きな頂点作用素代数に関する共同研究を行ったが,そこに現れる Deligne 例外系列と呼ばれる単純リー環の系列については,次元などの量を双対コクセター数の有理式によって表す公式が知られており,その一般化として,単純リー環の次元などを三つのパラメータで統一的に記述する普遍公式が知られている。本年度後半には,W代数に関する最近の研究において,単純リー環の極小巾零軌道が重要な役割を果たしてことに着目して,英国ラフバラ大学の Alexander A. Veselov 氏と共同研究を実施し,単純リー環の極小巾零軌道のヒルベルト級数を記述する公式を導いた。その系として,いわゆる随伴多様体の次数を与える興味深い公式が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Classification of vertex operator algebras of class S4 with minimal conformal weight one2016

    • 著者名/発表者名
      H. Maruoka, A. Matsuo, H. Shimakura
    • 雑誌名

      Journal of the Mathematical Society of Japan

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Classification of vertex operator algebras of class S4 with minimal conformal weight one2015

    • 著者名/発表者名
      A. Matsuo
    • 学会等名
      Perspectives from vertex algebras
    • 発表場所
      京都大学理学部(京都府京都市)
    • 年月日
      2015-07-21 – 2015-07-24

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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