研究課題/領域番号 |
26610010
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 裕基 宇部工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (50707130)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 代数的K理論 / A1-ホモトピー理論 / 導来代数幾何学 |
研究実績の概要 |
A1-ホモトピー理論と導来代数幾何学を組み合わせたモティヴィック導来代数幾何学の理論の構成および定式化を行なった. モティヴィック導来代数幾何学を定式化するために, モティヴィックザリスキトポスとモティヴィックエタールトポスを導入し, それらが適切な性質を満たすことを証明した. モティヴィック導来代数幾何学の理論のもとでK-理論スペクトラムの持つボット周期をK-有理点として持つことで特徴づけられるP1-テンソルK-理論スペクトラムの構成と定式化を行なった. その際, P1-テンソルK-理論スペクトラムの完備化はボット周期写像の対数微分形式で生成されるモティヴィックK-代数の比較を行なった. また, P1-テンソルK-理論スペクトラムに自然に入るフィルターからK理論スペクトラムにフィルターが導出されることを示した. 有理的K-理論上のアダムス作用素が有理的P1-テンソルK-理論スペクトラムのなすモティヴィックスキームのK-有理点になっていることを証明し, 有理的K理論のアダムス作用素によるフィルターとP1-テンソルK-理論スペクトラムに自然に入るフィルターの比較を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究でボット周期性が射影直線P1をテンソルすることで実現できることを見出しているので, 混合モチーフの無限圏の構成の目処を得ていると考えられる. ブルンバーグ--ゲプナー--タブアダの非可換モチーフの無限圏のA1局所化をさらにP1テンソル化を考えれば, 26年度の成果よP1テンソルK理論の普遍性をもつ無限圏が構成できると考えられる. 26年度の研究でボット周期の対数微分形式はテイト重さ1を持つことがわかっている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は26年度の研究成果の発表を行う. また, 混合モチーフの無限圏の完成とテイト対象と既存の花村の混合モチーフとの比較を行う. 具体的にはP1テンソルK理論の普遍性を実現する無限圏の構成を行い, その無限圏のなかでテイト対称の構成を行う. さらに花村の混合モチーフの圏から得られた混合モチーフの無限圏への関手の構成を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
ウォーリック大学(イギリス)において行われた研究集会「DG-enhancements and higher category methods」に関わる旅費が当初の予定より超過してしまった. そのためアメリカへの導来代数幾何学の調査および東北大学等へ出張旅費として執行することができなかったので次年度への繰り越しとなった.
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は導来代数幾何学の研究が盛んに行われているアメリカへの出張と26年度の研究の成果発表等を重点的に行う.そのための東北大学などの国内への出張を行う計画をしている.
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