今後の研究の推進方策 |
共同研究者の名大,小林亮一氏と議論をしている.共同研究としては,今後もこの方針で進めるが,議論に温度差もあるので,ここを詰めることすなわち研究の進展と考えている. 第2の観点として,まずフラックス公式から3つの除外方向があると,±のペアで除外される方向はあり得ない.従って,a,b,cを除外方向とすると,どの二つの方向も互いに独立である.今,a方向の高さ関数hの臨界点で, ±aは曲面の法方向となるが,aが除外値であれば,そこでの法方向は-aである.同様に-b, -cは法方向として現れるが,a,b,c方向は現れないこととなる.-a,-b,-c以外の方向はすべてプラスマイナスの両方向が法方向として現れる.曲面の位相を考えるとき,種数が1以上あると,法方向がプラスマイナスの両方向をとる可能性が増えるというのが直感であり,プラスマイナスの両方向をとらないものが3つもあるということは,可能性として種数は小さいものでしかあり得ない.種数がもし制限されれば,極端な話,曲面が双曲型になり辛いので,除外値数3は起こり辛くなる.こうした考察をきちんと行うことが,第2の解決法として考えられる.しかし,最後に不可欠な周期条件の考察をどう反映させるかは大きな課題であり,Nevanlinna理論を用いるにせよ,用いないにせよ,緻密な計算によるか,もしくは幾何学的アイディアが使えるか,深い考察が必要である. 以上の二つの観点から今後の研究を行って行く.
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