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2014 年度 実施状況報告書

無限次元群に基づく不変式論としての繰り込み概念

研究課題

研究課題/領域番号 26610022
研究機関京都大学

研究代表者

梅田 亨  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00176728)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード不変式論 / 無限次元 / 留数 / 高階微分
研究実績の概要

本研究は,無限次元空間に由来する不変量(特に繰り込み)の摘出を,無限次元群に基づく不変式論ととらえ,代数的な明快さと解析的な極限概念の相互関係を明らかにするとともに,その関係を用いて,異なる視点を有効に利用するという手法を開発することをひとつの目的とする.典型例は,代数曲線(リーマン面)における留数の概念であるが,通常の線積分や,ローラン展開とは別に,真空偏極という見方が,無限次元リー環の研究や,その中心拡大に関係し,無限次元グラスマン多様体を舞台としたKP方程式系の研究と深く結びつく.これは実数体や複素数体という特殊で古典的な場合に限定されないアプローチとなる.

これは,物理的に言えば,特別な(1j次元的)電磁気学的対応物であるが,数学的には,基礎の体を拡大する,或いはアデール化することで,数論における研究対象となる.ここで,電磁気学はベクトル解析と不可分な歴史的発展をみたが,そこに於いては積分公式が主体となるため,高階微分の概念は実質上現われない.これが従来の研究の盲点となって,高次元化の道を閉ざしているのではないか,という発想のもと,高階微分に関する基礎的な研究行った(意外なことに,そのような研究は,従来あまりおこなわれていないように見える).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歴史を溯ることで,電磁気学と,その数学的対応物である,ベクトル解析の本質的な意味をかなり深く理解
することができ,そこに欠けている「高階微分」という視点に至ったのは大きな収穫である.しかし,また,
それは,従来あまり研究対象となっていないようであり,その基礎的なところから考察をはじめなくては
ならない.そのため,それを実際の研究目的にまで応用するには,まだ相当時間が必要となりそうな状況である.

今後の研究の推進方策

1次元における「繰り込み」(正確には,真空偏極に基づく中心拡大)をより郡論的・不変式論的立場から,整理
するとともに,「高階微分」の果たし得る役割に付いて考察を深めることで,高次元化への道を切り開く.

次年度使用額が生じた理由

購入を予定していたコンピュータの新機種が発売されそうなので,次年度も含めて比較検討するのが,より実効的であろうと判断した.また,研究協力者との研究打ち合わせが,比較的近い場所でおこなわれた為,予定していた旅費を下回る使用となった.

次年度使用額の使用計画

コンピュータの購入ととともに,9月には鹿児島大学で小規模ながら研究会を企画しているので,旅費がそこで必要になる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Remarks on the Capelli identities for reducible modules2015

    • 著者名/発表者名
      梅田亨
    • 学会等名
      数理研研究集会``Representation Theory, special function and Painleve equation"
    • 発表場所
      京大数理解析研究所
    • 年月日
      2015-03-03 – 2015-03-06
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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