| 研究課題/領域番号 |
26610026
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
落合 啓之 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (90214163)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 映像数学 / リー群 / アニメーション / 運動群 / 変形 / 極分解 / リー理論 / 離散微分幾何学 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は動く映像の集まりを数学的に定式化する枠組みを構築することを目標とし、さまざまなクラスの映像の全体に付加的な構造を入れること、それらに共通の性質とそれぞれの個性を見いだすことを目的としている。
まず、２次元と３次元で相違があるものの、大きな共通の枠があることに昨年度までの研究の成果として気がついて来ている。今年度はリー理論のアイディアを盛り込むことで、この着想を具体化することを行った。非写実的映像を
ピクセル単位で捉えるのではなく、変形と運動を座標変換と見なすことで、変換を解析や制御の対象とするというARAP(as-rigid-as-possible)の技術は、リー群の言葉でひろくまとめることができる。一方で、運度は角度や長さを保つが、変形はこれらを保たないといった、それぞれの個性は、リー群がコンパクトであるかどうかという位相的な性質の表現論への反映や、部分群や半直積などの群の構造に起因する性質の異同と見なすことができた。
これらの成果は数学界へ研究発表すると同時に、CG界へも技術紹介することで、理論・応用の両面からフィードバックを得ている。
こういった理解によって、いままで個別的に様々に利用・運用されて来た技術、例えば、ジンバルロック、第２標準座標、一般カルタン分解、可視性などに関連性を与えることができ、分かっていなかったことがらを分かっていることがらとつなげて理解を容易にしたり、新しいあるいは高速なあるいは安定ななどの意味で今までよりも優れたアルゴリズムを与えられる可能性につながって来ている。これらの課題は次年度におこなっていく研究で取り組む。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請段階では確信が持てなかった萌芽的なアイディアを数学理論と結びつける手がかりが得られたという点で、うまくいっていると考えている。とくに、今年度の進展を受けて、次年度の具体的な課題を明確化できたことは、次年度の研究の実現可能性にも大きく寄与していると思われる。以上を自己総括して、研究は（２）おおむね順調に進展している、と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
計画を遂行する上での課題はとくに見当たらず、計画を変更する予定もない。
最終年度を迎えて、研究成果を何らかの形でまとめて公表することを念頭に置きつつ、進めていきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度の支出はおおむね当初計画通りに進行したが、昨年度から繰り越した分の資金の活用が予定通りに行かなかった。この分は計画では、秋に予定していた海外での研究集会への旅費宿泊費と参加登録費に活用する予定だったが、勤務校における入試に関係する業務などのため参加できず、この費用が発生しなかったことが主な原因である。
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| 次年度使用額の使用計画 |
同じ研究集会は次年度にも海外で行われるためそこへの旅費宿泊費と参加登録費に繰越金を充当することで有効に活用する。本来予定している次年度の資金は当初の資金計画通りに活用するため、資金に無駄なく研究を推敲できると考えている。
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