研究課題/領域番号 |
26610029
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
太田 泰広 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10213745)
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研究分担者 |
山田 泰彦 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00202383)
野海 正俊 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80164672)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 関数方程式論 / 応用数学 |
研究実績の概要 |
結合型短パルス方程式に対して、可積分性を保存するような半離散化および全離散化を構成した。離散類似の構成において重要となるのは、結合型短パルス方程式の解の行列式構造とその行列式解がみたす双線形方程式である。結合型短パルス方程式の半離散および全離散類似に対するNソリトン解が、カソラチ行列式を用いて明示的に与えられた。連続極限において全離散結合型短パルス方程式は半離散結合型短パルス方程式に収束し、さらに半離散結合型短パルス方程式は連続の結合型短パルス方程式に収束することが示された。ここで構成された可積分な半離散結合型短パルス方程式を数値シミュレーションにおける自己適合移動格子法に応用し、安定で高精度の数値計算スキームを与えることに成功した。数値計算の結果は解析的な結果とよく一致し、スキームの数値的安定性が示された。結合型短パルス方程式は、ホドグラフ変換をともなう独立変数および従属変数の変換によって、ベックランド変換を介して結合した戸田格子方程式の系列に変換することができる。その戸田格子方程式の系列に対するロンスキアン解を離散化し、カソラチ行列式を考えることによって、ソリトン理論における直接法を応用して離散戸田格子方程式の系列をえることができる。そこで離散ホドグラフ変換を導入することによって、結合型短パルス方程式の離散類似を構成することができる。格子点がカソラチ行列式解によって与えられるため、解と連動して運動する自己適合移動格子がえられる。本方法によって鋭いピークをもつパルス解を再現することができ、さらにパルスの相互作用を数値計算によって精度よく捉えることができることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ソリトン方程式系における短パルス解の相互作用の数学的構造を明らかにすることができたから。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、双線形化法などの解析的手法を用いることによって、rogue wave解の構成とその代数構造の研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定された出張を中止したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に出張などで使用する計画である。
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