研究課題/領域番号 |
26610032
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 昌晃 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90292408)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自己双対符号 / 組合せデザイン |
研究実績の概要 |
代数的符号理論において重要な対象としてdoubly even self-dual code (重偶自己双対符号)がある。まずdoubly even self-dual code が存在するためには長さは8 の倍数であることが必要であることが知られている。各長さにおいてminimum weight(最小重さ)がMallows-Sloane による上限に一致する場合、extremal(極値的)とよばれる。その存在は様々な理由で関心が持たれており、長さ 72未満の全ての8 の倍数の長さでextremal doubly even self-dual code の存在は分かっているが、長さ 72 のextremal doubly even self-dual code の存在は分かっておらず、代数的符号理論での有名な未解決問題の一つとなっている。 研究代表者は、過去の共同研究にて、長さ72 のextremal doubly even self-dual code の存在とself-orthogonal 5-(72, 16, 78) design の存在が同値であることを示しており、本年度は、self-orthogonal 5-(72, 16, 78) design を含む self-orthogonal t-designを統合的に扱うための準備の研究を進め、ある程度の成果が得られたので、次年度は投稿出来るように研究を進める。 また、ある種の組合せデザインであるアダマール行列に関して、その不偏性およびその一般化に関しても符号理論からのアプローチで研究を進めたことも、今年度に得られた主な研究業績である。なお、この結果に関しては、すでに論文としてまとめてある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目的は、現時点で存在の分かっていない長さ72 のextremal doubly even self-dual code の存在性を決定をすることであり、少なくとも、本研究課題においては、この問題への取り組みに関する具体的なアプローチを確立させたい。 初年度である今年度は、長さ72 のextremal doubly even self-dual code とその存在が同値である self-orthogonal 5-(72, 16, 78)design を含む self-orthogonal t-design を統合的に扱うための準備の研究は進めることが出来ていることより、このまま進めることで、次年度にはある程度の成果が期待出来る。
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今後の研究の推進方策 |
初年度である今年度は、長さ72 のextremal doubly even self-dual code とその存在が同値である self-orthogonal 5-(72, 16, 78)design を含む self-orthogonal t-design を統合的に扱うための準備の研究は進めることが出来た。残りの研究期間においては、この研究を進めることで、 self-orthogonal 5-(72, 16, 78) design を含む self-orthogonal t-design の統合的な研究を行い本研究課題の最終目的への足がかりを見つける。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に購入予定であった本研究課題での計算用の計算機の購入を次年度に行うことにしたことと、出張予定の変更により旅費額が当初の予定よりも少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に購入予定であった本研究課題での計算用の計算機の購入を次年度の出来るだけ早い時期に行うことなどで、予定している研究を遂行させたい。
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