研究実績の概要 |
代数的符号理論において重要な対象として doubly even self-dual code(重偶自己双対符号)がある。まず doubly even self-dual code が存在するためには長さは8の倍数であることが必要であり、各長さにおいて minimum weight(最小重さ)が Mallows-Sloane による上限に一致する場合、extremal(極値的)とよばれる。その存在は、代数的な動機だけに限らず様々な理由で関心が持たれており、長さ72の未満の全ての8の倍数の長さで extremal doubly even self-dual code の存在は分かっているが、長さ72については存在が分かっておらず、代数的符号理論における有名な未解決問題の1つとなっている。 研究代表者は、長さ72の extremal doubly even self-dual code の存在と self-orthogonal 5-(72,16,78) design の存在が同値であることを過去の共同研究において示しており、このパラメータを含む self-orthogonal design について、昨年度に続いて研究を進めた。また、今年度は、self-dual code と unimodular lattice の研究も進めた。lattice の分類を用いてある種の部分集合を分類することで self-dual Zk-code の分類を進めることが出来た(出版準備中)。また、ある20次元の unimodular lattice に関連する GF(7) 上の self-dual [20,10,9] code の分類を完成させた(投稿中)。さらに complex spherical 2-code に関連した supplementary difference set についての研究も行った(出版済み)。
|