本研究では,量子コンピュータの記憶素子の誤り訂正を目的として導入された量子ジャンプ符号をt-MODと呼ばれる数学的概念として定式化し,与えられた符号長,誤り訂正能力をもつt-MODの中で,最大の次元をもつ完備t-MODの組合せ構造を特徴づけ,その非存在定理と1つの構成法を与えた.さらにbinary完備t-MODは,組合せデザインのlarge setと同値であることを示した. 一方,binary t-MOD(t-SEED)を有限アフィン幾何を用いて構成する方法を与え,その構成法に関連する巡回群の多重直積分解問題にlcm-closureの概念を導入して,新たな分解可能性定理を示した.
|