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2016 年度 実績報告書

有限体を用いた高精度数値計算法

研究課題

研究課題/領域番号 26610039
研究機関神戸大学

研究代表者

高山 信毅  神戸大学, 理学研究科, 教授 (30188099)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード高精度計算 / 常微分方程式
研究実績の概要

有限体を活用した高精度特に有理数上の数値解析手法を与え, 実装および有効性を下記の場合に示した.
1. 多変数超幾何多項式の値の計算にパラメータについての差分方程式(漸化式)を用いると, double 型の範囲では, 誤差の蓄積が大きく真の値からおおきくずれる現象が見られる. これを回避するためには, すべてを有理数による正確計算で遂行すればよいが, この場合にはいわゆる bignum による速度低下が起きる. 計算代数での標準的手法(modular method) である, mod 計算, 中国剰余定理, 分散計算をこの場合に適用することにより, 高速に有理数上の正確計算が遂行可能であることを示した(橘, 後藤との共同研究). 実装は Risa/Asir のパッケージ gtt_ekn として公開もしている. 多変数超幾何多項式の値評価は分割表の条件付き推定への応用がある.
2.常微分方程式の数値解析を有理数上で行う手法を与えた. 有理数での計算により, 誤差解析が数学的に明快になる他, 高精度計算が可能となる. Stoer-Bulirsch アルゴリズムを用いた常微分方程式の補間型数値解法と上記のmodular method を組み合わせることにより, ある程度高速な有理数上の常微分方程式の数値解析アルゴリズムを与えることに成功した. 実装は Risa/Asir のパッケージ tk_bs として公開もしている. non-central wishart 分布の累積密度関数の数値計算(これには悪条件の行列式の計算が出てくるため, 桁落ちを防ぐには高精度計算が必要)への応用の研究が進展中(Danufane, 小原との共同研究).

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 2元分割表に対する差分ホロノミック勾配法の実装2017

    • 著者名/発表者名
      橘義仁, 後藤良彰, 高山信毅
    • 雑誌名

      数理研考究録

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

  • [学会発表] 常微分(差分)方程式用有理数対応数値解析パッケージ2017

    • 著者名/発表者名
      高山信毅
    • 学会等名
      Risa/Asir Conference 2017
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30
  • [備考] 常微分(差分)方程式用有理数対応数値解析パッケージ

    • URL

      http://www.math.kobe-u.ac.jp/HOME/taka/2016/20170328-ohp-takayama.pdf

  • [備考] Risa/Asir

    • URL

      http://www.math.kobe-u.ac.jp/Asir

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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