平成27年度は、遠赤外線フーリエ分光器を用いた波長感度特性評価のための測定系システムの構築、およびデータ処理方法の確立を進めた。これまでに作成された表面活性常温ウェハ接合検出素子を用いて、波長感度特性を取得し、長波長カットオフを見積もった。その結果、Ge用の電極のオ―ミックコンタクトが良好でなく、接合部にバイアス電圧がほとんどかからないという問題が発生した。その問題調査の過程において、接合部に外部から中間赤外線を照射すると感度が増加する現象を発見した。そこで、さまざまな波長の赤外線LEDを購入し、クライオスタット内部から赤外線を照射して感度増加率を定量的に評価し、接合部の物理状態と感度上昇の原因についての理解を進めた。また、半導体パラメータの詳細をホール効果などによって評価した。さらに、電極については、さまざまな電極形成を試した結果、Snが比較的相性が良いことが分かった。そこで、SnGa電極を用いた素子の作成を実施した。
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