511keVのラインガンマ線は、暗黒物質の対消滅反応の際に生成される陽電子が電子と対消滅することで放射されるため、暗黒物質の起源に制限をかけることができると考えられる。本研究では、シンチレーター結晶を用いた511keVのガンマ線に特化したコンプトン型の高感度カメラの実現可能性の検証を目的とした。様々なシンチレーター結晶と光検出器によるエネルギー分解能、角度分解能の実測を行い、その結果を用いて検出器シミュレーションによって性能を評価した結果、有効面積や角度分解能としては期待されるものが実現できる可能性は示唆できたが、チャンネル数が膨大になってしまうという課題が残った。
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